俺様ワガママ主人×めいど


* * *

「あーー‥‥耳痛い‥。誰かさんが耳元でバカみたいに声あげるから本気で痛い」

「‥‥‥」

「朝っぱらから人の眠り妨げて‥ホント迷惑‥。」


あたしは視線を逸らし、口を固く閉じていた。



起きたばかりの奴はもちろんのこと不機嫌MAXだった。

しかし怒鳴るとかではなく‥

今の奴は昨日の偉そうな態度とは、打って変わって、眠たさの残る声で、俯きながら顔に手をあてながらの低ボイス。



「まだ、5時なんですけどねぇ‥」

嫌味入りまくりMAXである。


‥態度は変わってもムカつくのはおんなじなんですけどね。



‥そして、

「あんたが寝ぼけて抱きついてくるのが悪いんじゃん‥!」

勢いにまかせ声をあげると、



「‥‥責任転嫁すんなよ」


‥すっごい冷たい目つきで睨まれました。



朝だからなのか‥あたしのせいなのか‥めちゃくちゃ‥てか、かなり機嫌が悪い


その後、

眠たげに目を擦る奴の傍らで、俯きながらあたしはじっと黙っていて

この時ばかりは、“今このオトコに、絶対に逆らってはいけない”という危険信号が自分のどこかで発生している気がしていたのだった‥‥‥‥。



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