俺様ワガママ主人×めいど
「ちょっと‥!」
慌ててドンドン!と外からドアを叩くが
「―――――」
なんで‥‥‥
それから
部屋から声が返ってくることは、なかったのだった。
あたしは彼が誰なのかも、なぜ道を教えてくれたのかも、なんの目的であたしを助けたのかも、
なぜ
――あたしの名前を知っていたのか、も
なにも、
わからないままだった
――――――――――――――
「あ、あった、赤いドアっ!」
戻った道の先には、彼の言った赤いドアがあった。
黒ずくめはこの階にはほとんどいないのか、意外にここまであっさりと来れた。
微かに聞こえる黒づくめの声は、上ばかりからする。
階段‥階段‥
辺りを見回すと
「これか‥」
それらしき階段を発見した。
よし!
それを勢いにまかせ一気に駆け降りる。
長い長い階段の先、それを左に曲がる。
出口が見える、あと少しというところ
あと少し‥と思った。
しかし、
「いたぞ!捕まえろっ!!」
現実はそう甘くなかった‥‥‥。