俺様ワガママ主人×めいど

「‥‥っ、しつこいなっ‥!」


出口目前に邪魔をされる。咄嗟に方向を変え、逆の道を走る。


「あそこだっ!」

「逃がすなっ!!」


さっきの黒ずくめの声を聞いたのか、次々と引き寄せられるように黒づくめ達は集まってきた。


うじゃうじゃと‥‥!



ついに

周りを囲まれてしまった。


すると、一人の黒ずくめが前に出てきた。




「美鈴様、どうかお戻りください。これは潤弥様の命令です。」


その黒ずくめはこの中でも偉い人だと思う。

それまでの黒ずくめがピタリと動きを止め、この人より前に出ている人が一人としていない。



「嫌ですっ、たとえ奴の命令だって絶対あたしは聞きません」

「潤弥様がお帰りになられるまで部屋でお待ちください。まだ完全な状態ではないはずです、安静にお願いします。」

「‥あたしは大丈夫です、これ以上迷惑掛けたくありません。帰ります」



そう言い切った瞬間


「帰るって、何処へだ」




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