俺様ワガママ主人×めいど
* * *
「――それでは坊ちゃん。私も仕事がありますので、これにて失礼いたします」
言い合いがやっと終わったかと思えば‥
あーあ‥
余裕な態度の桐島さんに対し
「‥‥‥あぁ」
さっきので不機嫌ヅラで疲れ気味の奴
桐島さんには、絶対勝てない気がする‥‥
横目でそんな奴を見ていると
「美鈴様」
「は、はいっ!」
いきなり声をかけられ、声が裏返った。
ビックリした‥
「私はここで失礼いたしますが、何か困ったことがありましたら遠慮なくおっしゃってください」
「は、はい。ありがとうございますっ」
優しい言葉をかけてくれる桐島さん
ホッと少し安心する。
「慣れないことばかりで大変でしょうが、がんばってくださいね。それでは」
そう言うと桐島さんは、もとの来た道を戻っていく、しかし
「どうかしましたか、坊ちゃん」
ギッっと桐島さんを睨み続ける視線に気づき、奴の前で立ち止まった
「‥‥なんでも、ない」
フっと目線を反らすと
「坊ちゃん‥」
「なんだよ」