俺様ワガママ主人×めいど
* * *
「坊ちゃん?と、 あらあら。どうしたんですか、こんなとこに」
口元に笑みを浮かべながら、一人の女性が近寄ってきた。
奴に連れて行かれたのは広いホールのようなとこだった。
そこは、今の女性以外に、メイドを身に纏うメイドさん達が数名いた。
すると奴は声をかけた女性のもとへと進み
「蘭子さん、これから自由にコイツこき使っていいから」
あたしを指さしてきた。
指をさすな指をっ
てか、“蘭子さん”って‥‥?
目線を向けると、そこに立つのは、綺麗な女性だった。
「み、美鈴です」
「あらあら、かわいらしい方」
そう言うと彼女はまた笑った。
“上品に笑う綺麗な人”
それが“蘭子さん”という人の第一印象だった。
「坊ちゃんの、お知り合いですか?」
そう言われると、奴はクルっとあたしの方を見た。
そして少し何かを考えると‥‥