赤と黒の心理学

乙女の祈り

「うーん、このジャケットかぁ…。」
「とっても似合うと思いますよ、ね?」
 時雨に服を勧めていた店員が京にも話をふる。
「ええ!サイズも合うみたいだし似合いそう~☆」
「ところで彼女さん、その髪地毛ですか?」
―かっ、彼女さんっ!?
 店員の問い掛けに戸惑いながらも京は笑顔で
「ええ、地毛なんですぅ。」
と答えた。
「へえ、すごい綺麗ですね~。」
「えへへ、ありがとうございます。」
 そんな会話を聞いて時雨は
「ほんと、フランス人形みたいだな。」
と言う。
―フ、フランス人形って…時雨お兄様に言っていただけるなんて…。
 完全に京の心は「女の子」になっていた。

 一方こちらはロリータのショップ。
「うーん、どっちにしよう…。」
 京はレースのついた白い傘を買おうか黒い傘を買おうか迷っていた。
「んなに迷うんなら両方買えば?」
「いや、金銭的に両方は無理なんだぁ~…。」
「じゃあ…ミウはどっちかつーと甘ロリのイメージがあるから白にすれば?」
「うんっ、そうだね!白にしよう!」
 時雨にアドバイスを受け、京は白い日傘を購入した。
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