【中】好きになりました、付き合ってください!!
コンコン




「亮佑ー?起きてるー?」


夜遅くになってドアが開くと、笑顔の莉子が現れた。


「お疲れ」


「新曲の宣伝ばっかで疲れた。そこまでしなくても、どーせ売れるのに」


ドカッと俺の隣に座る莉子。


「新曲俺もテレビで聞いた」


「うっそ♪どうだったー?」


真っ直ぐに俺を見る、大きな瞳。

昔と何も変わってないように見えるのに…、でもやっぱり何かが違う。




「なぁ、告白の歌ってどういう意味?」


一瞬驚いた顔をした莉子。


「……三木さんから聞いちゃったんだ?」


あの、事務所の人か。


「亮佑はあの歌聞いて何て思った?」


「……もう戻ることのない失恋の歌」


俺と莉子の歌なら、そういうことだ。

戻ることなんてありえない。
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