【中】好きになりました、付き合ってください!!
「……嘘でしょ?じゃああたしは…無駄なことしてたの?」


「こんなことってあり?すげぇすれ違い」


何で……

両想いだったのに?

付き合ってたのに?


「あたしはまだ亮佑のこと…」


「俺は違う。どんな事情があったとしても、別れる前に莉子が言ったことは忘れられない」


"亮佑のことなんか好きでも何でもない、ただの都合の良い男"

いくら何でも、言って良いことと悪いことがあるだろ?




「違うの!!だって亮佑、あたしの浮気に何も言わなかったじゃん!!だからっ『俺は好きだから別れたくない』って言わせたかったの…」


「は?」


「悔しくて、あたしが見えをはっちゃっただけなの…」


俺は度重なる浮気と、あの言葉で愛想が尽きた。


でもプライドの高い莉子の性格を、何で考えなかったんだろう?

何で、わざとだって分からなかったんだろう?


そんなことも分からなくなるほど、俺には余裕がなかったんだ…。

あんなに大好きだったのに…。




「亮佑…ごめんなさい……本当に…ヒック……ごめんなさいっ」


小さくなって涙を流す莉子。


「もう一度だけ……あたしと付き合ってください……ヒック…亮佑のことが…大好きなのっ」
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