【中】好きになりました、付き合ってください!!
「……それよりさ、もう行けば?」


「え?」


急に真面目な顔になる莉子に驚いた。


「今の変な亮佑なんかいらなーい。早くあの子のとこにでも行けばー?」


莉子…。


「何よー、早くしないと気が変わるかもよ?」


「へ?あ、あぁ…」


ゆっくりと立ち上がってドアに向かった。


真里亜には早く会いたいけど……

この場を離れることに少しだけ寂しさを感じる。


ドアの前で振り返ると、莉子がこっちを見ずに言った。


「……ありがとう」


「…………っ」


あの莉子から発せられたとは思えない言葉に、声をなくしてしまった。


莉子とはよくケンカもしたし、トラブルもかなりあった。

ムカつくときもあったし、うざいと思うこともあった。


それでも……


いつでも一番近くにいた莉子。

二人で笑ったことも、バカしたことも数え切れない。


これからは違う道だけど。

俺はRIKOのファンだから…ずっと応援してる。




俺の方こそ、ありがとう。
< 216 / 244 >

この作品をシェア

pagetop