【中】好きになりました、付き合ってください!!
「ずっと連絡してたんだけど」


近付いてきたその人は、いつもよりも少し低いトーンで話す。

まともに顔なんて見れないけど、その人は間違いなく亮佑くん。


「話がある」


ピクリとも動かないあたしに、そう言葉を付け足した。


亮佑くんの手があたしの腕を掴もうとした瞬間……


「あ、あたしは…何も話すことないっ」


それだけ言うと、その場から逃げるように教室を飛び出した。




後ろであたしを呼ぶ声がしたけど、聞こえないフリをする。




走って走って、あたしは校舎裏に隠れた。


その日の午後の授業はサボり。




泣いて泣いて、少しスッキリした。


もう水分は出ないと思うぐらい泣いた。
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