ぼくとあたしの恋物語's
なみなみと張られたバスタブの湯に、お気に入りの入浴剤。

ぱかっと封を切って、1つ、また1つとそれを落としていく。


ぽちゃんという音。
ふわぁっとバラの香り。


いい感じ。


バスルームを支配する甘い香りに包まれながら、あたしはゆっくりとバスタブの中へ沈んでいった。

そして、その内側いっぱいまで身体を伸ばして、大きく深呼吸する。


バラの香りが、全身に行き渡る感じ。


うん。
ゴージャスな気分。


それだけで、心のゆとりが出来ていくって感じ。




……あたしだけかもしれないけど。



うっとりと自己陶酔に浸りながら、ほわぁんとため息なんかついてみる。
それすらも甘いバラの香りのよう。





……気のせいだろうけど。



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