ぼくとあたしの恋物語's
見渡す限りたんぽぽに覆われた小さな丘。
春は過ぎ去ってその丘は真っ白な綿毛の花に覆われている。

その丘に、あたしは今日もやってきた。

気持ちいいくらい鮮やかな青い空。
そして純白の雪化粧をしたかのような地面。
その青と白の対比が美しくて。
あたしはしばらくの間ただボーッと目の前の景色を眺めていた。

時折吹く風が心地いい。

風にさらわれた白い雪の精が、あたしの洋服や髪の毛にじゃれ付くのも楽しくて、ここ数日は暇さえあるとここに来ている。

誰かとでもなく、

一人で。
< 38 / 65 >

この作品をシェア

pagetop