ぼくとあたしの恋物語's
そんなある日。
あたしはふうとため息をついてしまった。

なんでこんなやつのところにいるのだろう。
あたし、何してるんだろう。

ただの時間の無駄?


うーんうーんと悩むあたしを尻目に、やつはいつもどおりのらりくらりと馬鹿なことを言っている。
ほんとこいつはどうしようもない。
あたしはいらいらしてきた。


そして、堪忍袋の尾が切れた。


「馬鹿なことばかり言ってないでよ! 私は考え事してるの!」

声を荒げたあたしに、やつはビクッと肩をすくめる。
そして、しょぼんとうなだれてしまった。

あーあ。
ひどいこといっちゃったな、と思った。
けどやつの態度にいらいらしていたのは事実で。

ふうとため息をつくあたし。そんなあたしを見て。




「……ってほしかったんだ……」




ぼそぼそとやつがつぶやいた。
ぼそぼそすぎてはっきり聞こえない。

「なんて言ったのよ?」

あたしの声は尖っている。
イライラのままに会話してる。

やつはうつむいていたが、やがて顔を上げて、きっぱりといった。
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