ぼくとあたしの恋物語's
そんなある日現れたあなた。

それは決して特別なことじゃないはずだった。
ぼくはぼく。
何も変わらない。
存在も、風景も、何もかも。


なのに。


あなたはぼくに話しかけた。
あなたはぼくに笑顔をくれた。
あなたはぼくに涙を見せた。


すべて、初めてのことだった。

―――ぼくに対してってことが。


こんなことは、別世界の話だと思っていたから。
ぼくには関係ないと思っていたから。
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