【合鍵2】あたしたち、まだまだ前途多難
「ここの内装、うちの親が手がけたんだよね」



引っ張っていかれたお店のドアをくぐると。


モノトーンのシンプルモダンな色合いながら、石やら塗り壁でごつごつとして、間接照明にやんわりと照らされた、リッチで非現実的な空間が現れた。


「うわぁ、すごい」

「なかなかいいでしょ」


塔也はニッと笑う。


「うん、ステキ。

塔也のご両親って、こういう仕事されてるんだ」


「そうそう。

自分たちがたたき上げだから、教育熱心で困っちゃうんだよね~」
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