【合鍵2】あたしたち、まだまだ前途多難
塔也は口の中の物を何とか飲み込むと、バツが悪そうに唇を尖らせた。


「まだそんなこと言ってんの?って言おうとした」

「……だって」


あたしも負けじと唇を尖らせる。


「わかんないもん」


ちゃんと言ってほしいよ。


「んじゃ聞くけどさ、涼音はオレのどこがいいわけ?」

「……ええと」


何がいいんだろう。

意外性かな?

何でも突きつめて考える、硬派さかな?


「……理屈を超えたところにあるから恋愛じゃないの?」


塔也は、言ってやった、みたいな顔してる。
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