【合鍵2】あたしたち、まだまだ前途多難
「そんなさ、まだ1年半先の話だろ」

「1年半なんて、すぐでしょ」

「そりゃ、すぐだけどさ」


塔也は丁寧に紙ナプキンで口元をぬぐった。


「仮に大学で離れるにしても、それ以前に何か起こる可能性だってある」

「……」


あ、ひどい。

そりゃ可能性はあるだろうけどさ。


……ずいぶんあっさり言ってくれるね、そういうこと。


デリカシーのないヤツ。



「大学でも離れない可能性だってあるしさ。

同じ大学とか」


……それはないでしょ。
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