蒼空へのシュート ~先生への想い~
『かわいい。どこで買ったの?』
「フランス」
『えっ?フランス製ってこと。この前言ってた雑貨屋さん?こんなかわいいのあるんだ』
「ちがうよ。だから、フランスだって。蒼ちゃんにもあの店、連れて行きたかったな」
笑いながら仁さんが言う。
『本当にフランス行ってたの?急な用事があるって言ってたけど…』
仁さんは車を高台にある自然公園の駐車場に停めた。
「ここからの眺め、いいでしょ」
街の明かりがキラキラしてとてもきれいに見える。
「これ、蒼ちゃんに食べてほしいんだけど…」
そういって後部座席からケーキの箱を取り中からカップを私に手渡した。
『プリン?ゼリー?…』
黙ったままニコニコした顔で私を見つめる仁さん。