蒼空へのシュート  ~先生への想い~

『いただきます…』


スプーンで一口食べてみる。


『おいしい…すごくやさしい味がする。デザートに恋するって言うのも変だけど、一目惚
れした時の心境みたい。これって…』


「もー、蒼ちゃん最高。やっぱ、俺のよき理解者で評論家だわ。これさ、クリームブュルレなんだけど、蒼ちゃん仕様なんだ」


『私仕様?』


うれしそうに頷く仁さんがとてもかわいく見える。


「蒼ちゃん、紅茶好きでしょ。本当はブリュレにはなにも混ぜないんだけど香りづけに入れてみたんだ。まさに蒼ちゃんのデザート。」


『すごいね、仁さんって…ホントにすごい』


こんな人に私は愛されている。


なのに…幸せな気持ちに情けない自分がついていけなくなる。言わなきゃ…


『仁さん、あのね…』


私が言いかけた時だった。
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