蒼空へのシュート ~先生への想い~
「蒼ちゃん、今日は目をつぶらないで。俺が抱きしめていることをしっかり覚えていて…
他の誰かじゃなく、俺を見て…」
そう言って、仁さんはきつく抱きしめ、優しいキスをした。
この人の優しさを忘れることはないだろう。こんな自分を愛してくれた人。
「蒼ちゃん、大好きだよ」
仁さんは私の額に頭をくっつけながら笑って言った。
『ありがと』
仁さん、ありがと。こんな私を好きでいてくれてありがとう。
蝉の鳴き声が優しく二人の耳に響いていた。