蒼空へのシュート ~先生への想い~
『生意気なこと言って、ごめんなさい。きっと先生の気持ちは伝わっていると思うよ。先生、…お…奥さんのこと…愛しているんだね』
初めて先生の大切な人を奥さんと呼んだ。今まで先生と話していても言えなかった言葉。
先生は黙って静かに頷いて言った。
「ごめんな。こんな教師、ダメダメだな」
『ううん。私も大好きな先生に甘えてもらってうれしいです。だって先生は私、生徒にとって大切な存在ですからねっ』
涙を指で拭いながら笑顔で答えた。生徒って言葉をわざと強調しながら…
「大切な存在か…ありがとうな。俺、お前の前にいると教師でなくなちゃうな」
涙声をごまかそうと咳払いをする先生がとてもかわいく見えたと同時に教師でなくなるって言葉にドキドキしてしまう。