蒼空へのシュート  ~先生への想い~

「もしもし、蒼衣?唯だよ。まさか、唯って誰?なんてボケないよね」


久しぶりの唯からの電話だった。


『もぅ、唯は。久しぶりだね、元気?』


「元気ありありだよ。蒼衣んところにも連絡来たでしょ」


『なんの?』


「またぁ、二十歳の集い連絡。バスケ部仲間で集まろうって手紙来てない?」


『えっ…』


つい数日前にみんなの写真なんか久しぶりに見たからなんだか顔が熱くなる。


『いつ?もしかしたらここの住所連絡してないから実家に手紙がいっているのかも』


「そっか、一人暮らし始めたんだもんね。えっーとね、8月2日 7時からだね。場所は
さ、あのお好み焼きの店。もちろん行くんでしょ」


『…うん』


「みんな元気かなぁ。卒業以来だもんね。石やん、宮センも来るのかなぁ」


会えるの?会える?会えるんだ…


それから唯と久しぶりに話をたくさんした。


今の自分のこと。圭ちゃんのこと。これからのこと。そして、高校時代の思い出も…


電話を切った後、体中が熱くなっていた。


その日からカレンダーを見るのが癖になってしまうほど、赤く丸をつけたその日を見つめていた。
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