蒼空へのシュート ~先生への想い~
「それじゃ、俺達の二十歳の祝ってことで今日はみんなと楽しく過ごせればと思います」
峻太の声が聞こえる。
変わらない声。
変わらない笑顔。
「宮本先生はちょっと遅れてくるってことなので、石川先生、乾杯お願いしまーす」
拍手とともに石川先生が照れながら立ち上げる。
「今日は私まで呼んでくれてありがとう。みんなの元気そうな顔が見れただけで…うれしくて…」
声を詰まらせている様子を見て唯が言った。
「もぉ、石やんたら、涙もろいところ全然変わらないね。私達も先生に会えてうれしいよ。でもさ、乾杯してくれないと始まらないから…」
「そうだね。じゃぁ、みんなとの再会と二十歳の祝に乾杯!」
「カンパーイ!」
すこし大人びた顔のみんな。
「お前さ、今何してるの?」
「えー、近いじゃん。最寄駅どこ?」
「大変だよな、どこも。でもさ、あの頃の苦しさに比べればなんでもないって思えるんだ」
「やっぱり、そうだよな。俺達よくやったよな。暑い中、寒い時も」
みんながあの頃に戻った。