蒼空へのシュート ~先生への想い~
「俺達バスケ一筋ですから」
海斗が真面目に言った。
「海斗が言うと全然響かない」
唯のするどいツッコミ。
「何でだよ」
「バスケ一筋ってさ、あの茶髪カール娘の亜美ちゃんはどうしたのよ」
「聞くんじゃねー」
「ふられたんだ」
みんな顔を見合せて笑いながらうなずいた。
「だってよ、朝も夕方も、休みもバスケだろ。俺だって、一生懸命時間を作ったのに。私
とバスケどっちが好きなのって。そりゃねーだろ。でもさ、俺は言ったよ、両方大事って。本当のことだろ…なのに愛が伝わらないって。もう、どうすりゃよかったんだぁ」
『でも、そうだよね。好きな人とはいつでもずっと一緒にいたいもん。会えないのは辛いよ。亜美ちゃんの気持ちも海斗の思いもわかるよ』
私の言葉に峻太の肩を叩きながら海斗が言った。
「いいんだ。俺にはバスケがある。なっ、峻太」
海斗を慰めるように優しく笑う峻太。ホントに峻太は優しいよ。昔からそういうとこ変わらないんだよね。
友情っていいなぁ…なんて感慨に浸っているところに突然唯が言った。