believe in destiny~絆~
そうとだけ言って、俺は部室を出た。
今日は、昨日のように先輩は俺が帰るのを誰も止めなかった。
さっきまでの笑顔が消えていくのを、自分でも感じた。
基本、俺はいつも笑顔だ。
笑顔でいると、人の反感だってほとんど買わないし。
幸せになれるような気がするから。
最初のうちは、故意にしていたけれど、
今はもう癖。
無意識的に、笑顔になってしまう。
でも、笑顔でいられる範囲は超えた。
ああいうやつには、勝手に言わしておけばいい。
でも、俺の前では言うな。
お前たちから見たらどう見えてるのかなんて知らないけど、樹里の悪口を言うんじゃない。
樹里は、俺にとってたった一人の大切な人だ。
お前たちなんかと比べ物にならないんだよ。