believe in destiny~絆~

「樹里、帰ろう」

俺は樹里が待ってる教室に早足で向かった。

「えっ、もう練習終わったの!?
早くない?」

「あぁ、今日はもう終わった。
帰ろ」


「うん…」


樹里の手を引っ張って小走りで走った。
吹奏楽部の練習の音が聞こえる校舎を出て、
剣道部の叫ぶ声が聞こえる体育館のそばを通り、
野球部の練習しているグラウンドの横を通った。


「勇介!?
どうしたの!??」

樹里の声は少し驚いているように聞こえる。

「えっ?あっ!
ごめん。
どうもしないよ」

「本当に?
なんか、いつもの勇介じゃないよ」

さっきの女たちの言葉に腹が立って、つい樹里をぐいぐいと引っ張ってしまった。


長く樹里と居たかったから。



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