believe in destiny～絆～

「だから樹里は一人で毎日本を読むのー！！」

「よく飽きないよなぁ」


中学に入学して以来、ずっとそうしている。

「いつも、どんな本読んでるの？」

「いろいろだよ。
今日はコテコテの恋愛ものー！！
昨日まで読んでたのは、実話ドキュメンタリー！！」


「ようするに、何でもいいんだ！？」


「まぁね、時間が潰せるなら」


二人の笑い声が響く帰り道。
俺はこの時間を大切にしている。

帰り道くらいしか、樹里とふたりきりになれる時間がないから。
きっと、樹里もそうなのだろう。
いろいろなことを話してくれる。


「唯ちゃんが、子猫を飼い始めたんだって！！
名前はミューちゃん。
今度見せてもらうんだぁ」

「樹里は動物好きだねー」


「だって、かわいいんだもん」

そんなこと言ってる樹里が、一番かわいいよ。
なんちゃって。

でも、本当にそう思う。