約束。

●再会。

「…久々に見たなぁ…あんな夢…」まだぼんやりとして言ったのはあたし、樋波陽軽。

「…ってゆーかあの男の子誰だっけ…??名前すら覚えてないし…」

うーん…と暫く考えてはみたものの思い出せない…。

「まーいいやもう一回寝ちゃおーっと♪」そう思ったあたしはまた布団にダイブした。でも世の中はそんなに甘いものじゃなくて。基本地味なことまで邪魔されてしまうのがヒロインの宿命。もちろんこのときのあたしもそうだった。とにかくあたしの眠りは一分も経たないうちに妨害された。

「陽軽―――!!早く起きなさい!!今日は大切なお客様が来るんだからね――!!部屋の掃除くらいしてよー!!」という階下からのお母さんの怒鳴り声によって。

「えへへ~無・理♪」なんて言ったら殺される率200%…。だからあたしは素直に
「…はーい…」と返事した。

 …。なーんてッ★実はまたまた、寝てたりするあたし…(笑)だーって別にお母さんが見に来るわけでもないしさー…。

「起きろォッ!!!!」

「痛~~ッッ!!??」

 あたしの考えはそりゃもう甘かった…。突然のお母さんの訪問とともにゲンコツが降ってきた。

(流石(??)元ヤン…。めちゃくちゃ痛いィ…(泣))
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