約束。
「~~~何すんのッ!!??イキナリーー!!??」

 涙目で訴えるあたしを尻目にお母さんはまたいつでも殴れるように身構えている…。

「起きろっつってんのがわかんねぇのか、オマエは。今日はオマエの部屋にあがってもらうんだから自分の部屋くらい掃除しとけって、このあたしがわざわざご丁寧に!!いってやってんのによォ??」

いぎゃーー!!とかワケわかんない叫びをあげながら、あたしは恐る恐る聞いてみた。

「あたしに…??お客さん…??いつもお母さんなのに…??」

お母さんは仕事の都合でよく家にお客さんを呼ぶ。そのお客さんももちろんお母さんの仕事関係の人で業界人だったりする。言ってみたらお母さんはいわゆる『社長』なのである。

し・か・も…。大手芸能プロダクションの…。

そんなわけであたしの家にはよく、芸能人とかモデルさんとかそういった人たちがよく出入りしていた。だから今日のお客さんもいつもとおんなじ感じだと思ってて…(笑)

「…で」

そういって鋭く睨みつけるお母さんに根負けしたあたしはしぶしぶ部屋の片づけをはじめた。
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