惚れたアイツにヤケドする?!
でも、これも計算のうち。
これであいつに電話して泣き落せば
男心なんてすぐにコロッと落ちるだろう。
まぁ、そんな感じに高をくくってたわけよ。
そしたら、
「お前、大丈夫か?」
っと外からあいつの声。
「ヒロ…なんでそこに居るのよ。」
「会議を終わった。」
「なら助けなさいよ。」
「いや…さっきの一部始終見てて
どう見てもお前が自分からここに入ったように見えて…。」
ぎくっ。
見られてたのかよ。
「そんなことしても俺は落ちないぞ。」
フフッとドアの向こうから笑っている。
あっ、今、どんな顔して笑っているんだろう。
ちょっと見てみたい。
「てか、開けてよ。」
「鍵、開いてるぞ。」
だったら、ドア開け!!
あたしは重たいドアを開いた。
明るい世界に立つ
彼は楽しそうに笑っていた。
「ほら、帰るぞ。」
「うっうん。」
何も言わずにすんなり返事してしまった自分にへこむ。
素直すぎないか?あたし。
そう思いながら彼の背中を追いかけた。