惚れたアイツにヤケドする?!



でも、これも計算のうち。




これであいつに電話して泣き落せば



男心なんてすぐにコロッと落ちるだろう。




まぁ、そんな感じに高をくくってたわけよ。




そしたら、


「お前、大丈夫か?」




っと外からあいつの声。





「ヒロ…なんでそこに居るのよ。」


「会議を終わった。」


「なら助けなさいよ。」


「いや…さっきの一部始終見てて


どう見てもお前が自分からここに入ったように見えて…。」




ぎくっ。



見られてたのかよ。




「そんなことしても俺は落ちないぞ。」



フフッとドアの向こうから笑っている。



あっ、今、どんな顔して笑っているんだろう。


ちょっと見てみたい。




「てか、開けてよ。」


「鍵、開いてるぞ。」



だったら、ドア開け!!



あたしは重たいドアを開いた。




明るい世界に立つ


彼は楽しそうに笑っていた。




「ほら、帰るぞ。」



「うっうん。」




何も言わずにすんなり返事してしまった自分にへこむ。



素直すぎないか?あたし。




そう思いながら彼の背中を追いかけた。






< 11 / 58 >

この作品をシェア

pagetop