惚れたアイツにヤケドする?!


「武田くんは…あたしのこと


そんなに好きじゃなかったんだよ…。



だから、別れようって言ったんだよ…。」




ついに涙が流れてしまう。




「そんなことないよ…。」



声が枯れる。



まさかこんな事とは思わなかった。




でもね




「ヒロは本気でマミさんの事が好きだったと思うよ。」



この目で見たんだもん。



この前、マミさんのこと話してたとき



ヒロの顔は少し赤かった。




いつもとは違うヒロの顔だった。






「ヒロはまだマミさんのこと好きだよ。」



何も行動しないバカヒロのために言ってやった。



行動しなきゃ、相手に伝わらないよ?




ヒロ。










「まったく、思ったとおりだ。」



ヒロが頭をかきながらやってきた。




「ヒロ!マミさんに本当のこと言おう!



あたしたちの本当のこと!!」



これはゲームだって!!


あたしとヒロは本当は付き合ってないって!!



「本当の事ってなんだよ?」


「だから・・・っ!!」


・・・・そうだった。



このゲームのことを他の人に言っちゃいけないんだった。



でも




「ヒロ、誰か1人にゲームのこと言った?」


「いや・・・言ってないけど・・・。」


「じゃあ、マミさんに言って!!」



そうじゃなきゃ、マミさんがかわいそう。



ヒロだって…このままじゃ自分の気持ちを押しころすだけじゃん。




ヒロは黙りこみ「そうだな」っと呟いた。




「先帰っててくれるか?マミと二人で話したい。」



「うん。分かった。バイバイ。」




あたしはヒロたちを置いて学校を出た。




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