惚れたアイツにヤケドする?!
「相笠、放課後、化学室にクラスのノート置いといて貰えるか?
鍵渡しておくから。」
化学の松本先生があたしに鍵を渡す。
「じゃあ、俺、出張だから!
明日までにはノート置いておけよ!」
「へーい。」
食堂なのに白衣を着ている松本先生はあたしに手を振る。
「まっつんに気に入られてるねー。」
ユキナは洒落でもなく言う。
「なんでよりによって、あたしなんだろう…。」
「好きだからじゃん?」
「そりゃ有り得ないっしょぉ〜!」
あたしは笑い飛ばした。
だとしても、あたしはヒロが好きだもん。
もう他の男とは付き合わない。
あたしはヒロしか見ないから。
んなことは改めて言わなくていいんだけど…。
「あー!忘れたぁー!」
あたしは帰り道に叫んだ。
「なにが?」
まんまるな目でヒロが聞く。
「あたし、まっつんに理解室にノート置いておけって言われたの!忘れてたぁー。」
「戻る?」
「うん。」
今日もヒロは会議があったから、その待っている間に済ませばよかった。
夜の学校は不気味。