惚れたアイツにヤケドする?!
「どうしためぐ?
やけに静かだなぁ。」
めっめぐ?!
今、めぐって…////
ん…でも、声が違う。
「ヒロ…?」
「ん?なに?」
ほら…。
あたしはケータイを開きライトを誰かの顔の前に突きつけた。
「うわっ、まぶしいっ!」
パッと手を離し、ケータイを防いだ。
「なんで…一ノ瀬が居るの…?」
ヒロのニセモノの正体は一ノ瀬悠介だった。
一ノ瀬はにんまりと笑う。
「自主練してたら、家のカギを学校にあるのを思い出して取りにきた♪」
「んなことは聞いてない…ヒロは?…」
ヒロはどこに居るの?
「ここだよ。」
苦笑するヒロは壁に寄り掛っていた。
「見てるのけっこう嫌な気分だな。」
そう言うとヒロはあたしと一ノ瀬の間に入った。
ヒロ…
「あたしを騙したの…?」
大げさな言い方だけど
「騙したというか、からかっただけ。」
という、ヒロの言い分にカチンときて化学室のカギを投げつけた。
「バーカ!」
あたしはやみくもに走る。
なんか腹がたったんだもん。