惚れたアイツにヤケドする?!
斎藤はおどおどと上目遣いで聞く。
「得してるっていうか…。
ヒロが彼氏であるってことが嬉しい。」
それが"設定"だとしても
それで繋がっているんだから変わりない嬉しさ。
斎藤はカランコロンとコップの中の氷をストローで回す。
「その分、武田は損してるだろうなぁ~って思っただけ。」
「損?」
損するのか?
あたしが一緒に居て嬉しいと思う分
ヒロは損するのか?
意味が分からない。
ヒロはあたしと居るのが嫌なの?
ユキナは今までいじっていたケータイをテーブルに置いた。
「あんたが言いたいことはこういうことっしょ?
めぐが武田くんと付き合っているってことで
武田くんは変な噂を受ける立場になっているってことっしょ?」
「変な噂?」
「生徒会長は相笠めぐみにたぶらかされて
惚れた欲目にもなったってことぉー。」
「ユキナ、言ってることがさっぱり…」
「お前に武田が遊ばれているってことだよ。」
はぁ!?