惚れたアイツにヤケドする?!
「たぶらかしてないし!
誘惑してるだけじゃん!」
「似てるようなものだよ。」
「でも…ユキナはあたしたちのこと公認カップルだって…。」
あたしは助けを求めるようにユキナを見たが
ユキナはかぶりを振った。
「それ錯覚だった。
ユキナ、ここに来るとき
食堂の女子を見かけたの。
めぐと武田さんのことボロクソ言ってたよ。」
そんな・・・っ
「あたしぶっ飛ばしに行ってくる!!!!」
そう言って立ち上がったあたしに
斎藤は鋭い目で刺した。
「誰をだよ。
お前が無駄に動くと
その分、武田に被害が加わるぞ。」
「じゃあ…どうすれば?
噂だからいつかは絶えるかもしれないけど
今、ヒロは学園祭の事で精神的にも肉体的にも弱ってんだよ…。」
このままじゃヒロ…倒れちゃう…。
「別れるしかないな。」
斎藤はさらりと言った。
「いやだ…。」
声が震える。
それだけは…
別れるだけは…
したくない。
「なんでだよ。
武田がこのまま過労とストレスで倒れてもいいのかよ。」