惚れたアイツにヤケドする?!


そんなに驚く事か?


「っで、なんか用?


帰っていい?」


男子はムスッとした顔で言う。



「待て。


俺、斎藤のダチなんだけど。」


あたしは眉をひそめた。



「斎藤って誰?」


「お前が付き合ってた奴。」


うーん…。


付き合ってた奴って言われてもなぁ…


たくさん居るもんなぁ〜。


しかも、いちいち付き合ってた奴の名前なんか覚えてない。

(顔もうつろうつろで…。)



「お前が昨日、フッた奴だよ。」


「あっ!あのキモイの!」

あの泣き虫のダサ男の顔がパッと浮かぶ。


確か、あいつ、斎藤って言ってたような…。



「お前、最低だな。」


目の前の男子は吐き捨てるように言う。


「何がぁ?」


「今まで付き合ってた男子の名前くらい覚えてろよ。」


「だって興味ないんだもん。」


あたしはカールしたエクステを指で巻く。



「ダメだこりゃ。」


男子は呆れたような苦笑いをしてため息をつく。



「斎藤、本気でお前のこと好きだったんだぞ。」


「べつに終わったこと話されても意味ないしー。」


「お前、本気で人を好きになったことないだろ?」



< 4 / 58 >

この作品をシェア

pagetop