惚れたアイツにヤケドする?!



まっつんの動きがピタリと止まる。


「チッ…たぶらかされた男が…。」



まっつんはそう言ってバツが悪そうに倉庫を出た。



あたしの肩はまっつんのせいで震えている。



「ヒロ…ヒロ…」


あたしはヒロに抱きついた。


怖い…。


ヒロ以外の男の人に触られる事が



こんなに怖かったんだ…。



あたしはギュッとヒロのYシャツを持つ。



「何やってんだか…。」


ヒロは大きな手で優しく撫でてくれる。



「なんで…あたしがここに居るって分かったの?」



「松本と一緒に居るのが見えたから。


あいつ女子生徒と付き合うのが好きらしいし。」




そうなんだ…。




「それに・・・」



ヒロはあたしの頭を撫でる手を


そっとあたしの背中に当てた。




「お前…何か言いたそうだったから…。」


へ・・・?




「可愛いよ…めぐみ…。」




へ・・・!?




そう言ってヒロはあたしにもたれ掛かる。




ヒロ…温かい…。




ズシッ



急に重さを感じる。



「えっ…!?ヒロ!?」



返事がない。




あたしはヒロの体重に耐えられず



床にヒロごと倒れた。





えっ…これって


ヒロに押し倒された…!?




「ヒロ…?」



さっきから返事がない。




「ヒロっ!!」



あたしはヒロの顔をうかがった。




「・・・・ZZZ」



って、眠ってるし!!


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