惚れたアイツにヤケドする?!
あたしはエクステを巻く指を止める。
≪お前、重いんだよ…。≫
「はぁ?あるわけないじゃん!」
あたしはクスクスと笑った。
「じゃあ何?
あんたがあたしを本気で惚れさせるつもりなの?」
からかって言ったつもりだった。
「いいよ。」
でも、彼は真顔で引き受けた。
驚き固まるあたしに彼はニヤリと笑う。
「どうせだったら勝敗を付けようぜ。
相手に惚れたら負け。
相手に俺が卒業するまで
毎日、食堂の昼飯をおごる!」
へぇ…、面白いこと考えるじゃないの。
「いいじゃん。乗るよ、そのゲーム。
どうせだったら付き合ってるって設定にしない?
それだったら、相手を誘惑させやすいから。」
もちろん、そのほうが
あたしが有利だからだ。
彼は少し考えている。
「俺、お前を抱くつもりはないぞ?」
ゲッ…!
バレたか!?
「ふんっ、彼女を作った事のない男が何言ってるのよ。」
「いや…一人や二人は居たよ…。」
居たんかいっ!!
一瞬、ツッコミたくなった。