Clean
第1章┼+夕焼け+┼
「あー。かったりーな。」



最低のシチュエーション。


前に立って居る女が今にも泣きそうだ。


屋上に呼び出されたから来てみれば…


今日何回目だよ。




夕日は見たくねんだって!!!



「靖くん…私ずっと1年の時から好きだったの…。」

またか。


「だから…付き合っ「無理。じゃっ。」



女が言い終えるまでに返事は返す。


言い終えてからだと期待されちゃ困るからな…




屋上のドアを開けると,5月の暖かい風が校舎に入っていく。


階段を下ると立入禁止の文字。


「俺にとっちゃー立入禁止は関係ねーな。」


1人でクスクス笑う。



廊下の途中の窓に目をやると校庭には花が咲き,花びらで土が見えないくらい埋めつくされている。



やっと2年だ…



どこか寂しげに微笑み,視線を廊下の先へと向けた。
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