ひとりごち~足跡帳~
ピンポーン

「機長よりご案内します。那覇空港上空、悪天候のため当機は急遽福岡空港に着陸します。シートベルトご着用の上、機内食テーブル・イスは元の位置に戻してください。
レディスエンドジェントルマン・・・・(以下不明)」

降りるんかい!

よもや不時着するんじゃないでしょうね。

とにかくコワイので言われたとおりにします。
気持ち悪くなりましたが、そんなことかまってる余裕はなし。

シートベルトはバックル部分思いっきり締めて、思わず「安全の手引き」の非常姿勢、イメトレしてみる。

真っ暗な空の中、飛行機急降下。

これまたあまりビビると人間って声出なくなるのかも。異様にしーんとした中、気圧が下がって耳がきーんと詰まってきます。

ゆれるゆれるゆれる。すさまじい暴風雨。

真剣、家族・友人への手紙でも書こうかと思いました。

文章表記するとバッ!バガガガガガガガガッガガって感じの音の中、飛行機着陸。

息を呑んで身を任せていた乗客から割れんばかりの拍手が起こりました。

ブラボー!ブラボー機長!

シートベルトしてなかったおそらくスタンディングオベーションだったことでしょう。

無事、福岡空港着陸。

奇跡の生還を味わいました。

ほっとして手荷物まとめてタラップへ。


そこで気づく。


んー、今日の宿泊予約は「沖縄」

ここは「福岡」

今はもう夜。



どーすればいいんだー!!!!!!


乗客がJALのカウンターに我先に殺到していったのは想像に難くないことでございます。

どうなったかは口をつぐんでおくとして、NO3に続きます。
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