最後の恋

「卓郎。お前本当に

彼女の事が好きなんだな。

確かに初めて会った時

お前を産んだ母さんに

似ていたよな。

率直に言ったんだ。

卓郎とも誠一郎とも

結婚は出来ないと

その代わり治療費は

俺が全て出した。」

「オヤジだったら

何故別れさせたんだ。」

「似ていたから、

お前と彼女はワシみたいに

なっては欲しくなかった。」

「アイツがガンになっても

ワシに言わなかった。

俺を困らせてはならないと

そしてコイツ幸せに

なって欲しいと言った。

お前を産んだ母さんは

本当に強い人間だった。

お前は今までワシを

恨んでいることは

知っている。

だけどお前を跡継ぎに

なって欲しいと願った。

卓郎どうしても

彼女しかダメなのか？」

と聞いてきた。