粉ひきの娘とお金持ちの物語～「労働の価値」スピンオフ

4章 お金持ちのいる村

おかねは、とどまることなく、ころげていきます。
こんどは消えることはなく、
どころか、ますますあちこちにあらわれ、
どんどん太っていくのです。

もう、おかねは、自分で勝手に、太っていきます。
ワトソン君は、おかねのゆくまま、命じるままに、おかねを「転がして」いくのです。

布が売り買いされるとき、そのあいだにはいって、ちょと、太る。
お酒が売り買いされるとき、そのあいだにはいって、ちょと、太る。
聖書売り買いされるとき、そのあいだにはいって、ちょと、太る…。