milk-ミルク-



頭を抱えて、

「…………あぁもー…」


乱暴に掻いて目を閉じて、

「渉…………」



と言う、気の抜けた声で目を開ける。




「何……」


主は頭上に、仮死状態で現れた。





「巧……、元気だった」



「……ああ、磯比奈の弟な…。良かったじゃん…」




主はコクコクと頷く。


「渉、……なんかあった?」




―――――ドクン



「あ……、いや…」




急いで目を逸らして、

主はため息。
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