milk-ミルク-


しばらく颯人とじゃれ合って、すぐに着替えて体育館裏に集合。

雨に打たれたため、少し外に出ただけでずぶ濡れだった。


「……ちーっす」


颯人の適当な挨拶に、



「ちーっす」


適当に反応したのは葛城だった。

まだ先輩と屋橋と葛城、そしてセカンドの東堂優弥(トウドウユウヤ)しかいない。


そして葛城は、

「これこそ水も滴るいい男って奴だな……」


1人で納得し、どこからともなくケータイを取り出し

――カシャッ



カメラのシャッター音が響いた。




「消せ……ソッコー消せ葛城………」


「う゛おっ!?泉谷!!まじっ……死ぬっておい!!」


葛城の首を後ろから締め、削除するように促す。


「消すって!!消すから離せっ!!」


「………ふん」




葛城の首を離し、ケータイを覗く。

「ほーらほら、消しましたっ!!」



見せるのは『削除しました』の文字。


「よろしい」



ホッとした瞬間、


――カシャッ





「っ!?」
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