milk-ミルク-
葛城は傘じゃなくてかっぱでもなくて、


「葛城、風邪引くよお前」




ずぶ濡れ。



「ん。知ってらあ、そんくらい」


「タオルとかねえの?」


「それがさあ、忘れちゃってさあ」


あははははーあははー……



雨の中、ずぶ濡れで手を振って、奇妙に笑いながら


「変わってるね、あの子」


「相当…」



変わってるね=変な人=変人=葛城。


つーかアイツ、勘違いしたまま帰ってったぞおい。




チラリと日和を見ると、ポカンとしていた。


しばらく見ていると、
「あっ!!」
と言って、



「彼女じゃない……ってもう遅いかあ…」


「つっこむの忘れた」


「うん、変な人過ぎて」



葛城、さよなら。
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