milk-ミルク-
いまだにオレンジジュースをズコズコと音を立てて飲む俺を見て、
「お子ちゃまな渉くん、嫌いじゃないよっ!!」
頭を撫でようとする手を俺は叩く。
「黙れ」
「冷たいなあ、渉くんせっかくかわいいのに…。
もったいないよー」
「寄るな、バカが移る」
颯人の言葉を得意の毒舌で交わし、オレンジジュースのゴミをゴミ箱に見事にヒットさせ(よっしゃ!!)、鞄を持っていざ出陣。
颯人は俺を追いかけ、ズンズンと歩いた。
「渉、なあに怒ってんの?」
「…怒ってない」
「嘘だい!!渉、怒ってるじゃん」
(うっとおしいなー…)
颯人を軽くスルーし、歩き続けた。