milk-ミルク-


いつもは静かな医務室が、俺と颯人のせいでうるさくなる。



「あっ、渉、日和ちゃん呼んできといたからねっ」


「………は?」




すると、


「失礼しまーす。おーいっ」



と、透き通った声が医務室に響いた。


「おっ♪きたきた」


そう言いながら、颯人はカーテンをめくって手を振った。

「あ、いたいた!!渉真は?大丈夫?」



「うん、やっと元気になったよ」



カーテン裏で、颯人と日和の会話が聞こえてくる。


「渉真ー?」


カーテンから、日和の顔が覗く。




「……あ?」


「あ?じゃないっ!!ぶっ倒れたんだって?大丈夫?」


「……うん。大丈夫…」


「昨日で風邪引いちゃった?送るって言ったのに」


日和は少し眉を下げてそう言った。
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