milk-ミルク-
――――――
「泉谷、上っ!!」
「…んあ?」
上を見ながら叫ぶ屋橋。
上、と言われたら上を向く。
白球が上に浮かんでいる。
グローブも出さずただじっと、白球を見つめる。
アレ?
この白球、なんかデカくなってきてる?
しかも回転してる?
「泉谷、危ないって!!」
「……………!!!」
白球が、肩スレスレで地面に落ちた。
今、ノック中だったんだと思ったときには
「泉谷、お前…」
屋橋の声が虚しく響いた。