milk-ミルク-



教室から窓の外を眺める。




雲行きが怪しい。



「……降るかもな」



いつになく変に真剣な颯人の声に、俺は頷いた。


「…なんか」


雲行きは、この先の出来事全てを知っているように、


俺に教えてくれているように、





どんどんと加速していった。


そして、


「来た、か」



ポツリポツリ、


やがてはザーッという音となって、乾いた地面に水を恵んだ。
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