milk-ミルク-


「…日和?」



『一番がよかった』


って?



回らない頭を懸命に回らせる。


「渉真、好きだよ」

少しだけ声が震えていた。




耳を疑うわ。


日和から出た言葉は俺に電気を走らせる。



「ずーっと前から」



うん、

俺も一緒。




「……好きだったよ」



目が滲む。

雨音が響く。




小さく揺れる日和の肩を、精一杯抱きしめた。




「渉真冷たい……」


「…ごめん」


制服のカッターシャツはびしょ濡れで、中に着ているTシャツの文字が見えるほど。




「…誰か見てるんじゃない?」


「さあ………なっ!?」
< 231 / 387 >

この作品をシェア

pagetop